USB3.0のチップのお話-第2回 伝わらないコアァ~な話し

今回はUSB3.0のチップのお話をダラダラとお届けしたいと思います。

ほとんど自分用の備忘録ですけど。

ちょっと前まではUSB3.0のホストコントローラーといえばNEC(ルネサス)に決まってましたが、最近マザーボードメーカー各社、ルネサス以外のいろんなUSB3.0チップを搭載していますね。

というわけで各種USB3.0チップについて調べていたんですが、気が付いたらコレクションがこんなことになっていました。

AmazonでUSB3.0増設ボードをチェックする

なかなかおバカな光景ですね。

普通なら、PCI-Eの拡張カード買うなら定番のNECチップでしょうが、

別にUSB3.0を使うことが目的ではないのでこれでいいのです!

下のPCIスロット2個もUSB拡張カードで埋めてさらにおバカなマシンでも組みます。

この手のカードってカード1枚ごとの価格は安いのでついつい気軽に買ってしまいますが、

全部合わせたら結構な額になっちゃってますね。

上から順に

A75 FCH

μPD720200

ASM1042

TUSB7340

VL800

EJ168

マザーボードはチップセット(A75 FCH)にUSB3.0を内蔵したMSI A75A-G35です。

デバイスマネージャもこんなことになっちゃってます。

背面だけでUSB3.0ポートが16個あります。

こんだけ同時に挿して全部まともに動くのかはわかりませんが、

LlanoとA75のブロック図を見る限り、PCI-Eスロットは全部Gen2対応で本来の速度は出せるはずです。

せっかくこれだけボードがそろったので、各チップの性能評価でもしていこうと思いますが、

その前に簡単に各種チップの紹介を。

AMD

A75 FCH

AMD Llano用チップセットですね。USB3.0がチップセットに統合されました。

USB3.0搭載チップセット製品として初めてUSB-IFの承認を受けています。

このマザーでは背面2ポート、内部ヘッダ2ポートの計4ポートサポートしています。

http://japan.renesas.com/press/news/2011/news20110830.jsp

こちらはルネサスのUSB3.0-SATA3ブリッジLSIのリリースですが、これを読むと

なにやらA75のUSB3.0はルネサスが開発に関係しているような雰囲気ですね。

Renesas Electronics

μPD720200(F1)

製品ページ

http://www2.renesas.com/usb/ja/product/upd720200.html

USB3.0ホストコントローラーといえばこのチップ。説明の必要のない定番中の定番ですね。

PCI-E Gen2、2ポート対応です。

ドライバーやファームも頻繁に更新されています。

今回使用するカードはSEMA U3PCIです。

ASMedia Technology

ASM1042

製品ページ

http://www.asmedia.com.tw/eng/e_show_products.php?item=115&cate_index=116

最近、ASUS製マザーでルネサスに変わりよく使われているチップです。

PCI-E Gen2、2ポート対応です。

通常のBOT (Bulk Only Transfer) protocolに比べて転送速度を大幅に向上させる

UAS Protoco(UASP)対応ドライバーをリリースするなど積極的に機能向上に取り組んでいるようです。

UASPについても検証してみたいところです。

ASUS USB3.0 Boost

http://event.asus.com/mb/2010/The_Best_USB3_Experience/The_UASP_For_USB3.0.htm

今回使用するカードはタイムリー PCI-USB3.0です。(製品ページは見当たりません。)

ちなみにフリーダム FPCI-EU32と同じ製品のようです。

Texas Instruments

TUSB7340

製品ページ

http://www.tij.co.jp/product/jp/tusb7340

自作PCではIEEE1394コントローラーで有名なTI製です。

PCI-E Gen2、4ポート対応です。

4ポート対応なのは今のところ、これとVIA VL800あとはμPD720201くらいのようです。

フル・ステートマシン・アーキテクチャを提供していることから、EEPROMが不要で

コスト削減になるのだとか。

自作用マザーには使われてるの見たことないので非常にマイナーですが、

自作用マザー以外では使われてたりするんでしょうか。

今回使用するカードはPlanex PL-US3IF04PE

http://www.planex.co.jp/product/interface/pl-us3if04pe/

型番は簡易パッケージ版のFFP-US3PE4ですが中身は同じです。

VIA Technologies

VL800

製品ページ

http://www.via-labs.com/en/products/vl800/index.jsp

おなじみ(?)のVIA製、PCI-E Gen2、4ポート対応です。

4ポート対応は世界初だった製品です。UASP対応の紹介もありますね。

今回使用するカードは変換名人 USB3.0 PCI-E CARD

VL800はAERAさんからも出てますが、あえてこちらのマイナーな方を選択しました。

型番も潔いですね。

ちなみに当製品はプロ向けだそうです。

ドライバーディスク等はいっさい付いていませんが、もともと製品付属の

ドライバーディスクなんて使わないので全く困りません。

裏側の写真見てもらうとわかりますが、ブラケットが1か所でしか留まっていません!

片側がパコパコします。

コスト削減のためかどうかわかりませんが、このへんもプロ向けな感じです。

Etron Technology

EJ168

製品ページ

http://www.etron.com/SystemICs-detal.php?ID=1

最近、ASRock、GIGABYTE製マザーによく使われているチップですね。

素性はよくわかりませんが、ASRockさんのテストでは最も高速で採用になったとか。

他のメーカーに比べてちょいチップのサイズがでかいですね。

今回使用するカードはAREA SD-PEU3E-2E(Due・Sport)です。

http://www.area-powers.jp/product/pcie/usb3/SD-PEU3E-2E.html

ちなみにこのカード、チップが裏面に載っております。

補助電源はFDD4ピンですが、SATA電源から供給できるケーブルが同梱されているがグッドですね。

コネクタの向きがちょっと使いづらいですけど。

ざっとこんなところです。

この他にUSB3.0ホストコントローラーにはどんなチップがあるのか気になり、調べてみました。

USB-IFの承認を受けている製品はこちらのページから調べられます。

http://www.usb.org/kcompliance/view

下記の通り、現在14個あるようですね。

今回使用するカードでだいたいのメーカーを網羅していますが、

残念ながら今回はFRESCO LOGICのカードがありません。

FL1000

http://frescologic.com/products_show.php?ms=2&ps=1

FL1009

http://frescologic.com/products_show.php?ms=2&ps=5

がすでに出ており、FL1000はASRockのマザーに搭載されていましたね。

USB2.0が動くとか動かないとかで話題になったやつです。

拡張カードも変換名人から出てましたね。

Amazon.comでFL1009搭載の純正(?)カードが販売されているようですね。

最近4ポート対応のFL1100なるチップも発表されたようでぜひ搭載カードを入手したいものです。

FL1100

http://frescologic.com/products_show.php?ms=2&ps=6

μPD720201

http://www2.renesas.com/usb/ja/product/upd720201.html

こちらはルネサスの新型の4ポート対応チップです。

なにやら近日発売のBUFFALO IFC-PCIE4U3S がこのチップを搭載してるとか。

性能アップしてるとのことで発売したら購入したいですね。

IFC-PCIE4U3S

http://buffalo.jp/product/interface/internal/ifc-pcie4u3s/

さて、それではようやく各種チップの性能調査のお話でも。

まず、繋ぐ機器を用意しないといけませんね。外付HDDとかSATAディスクを

繋ぐためにSATA-USB変換チップが載っているわけですが、

SATA-USB3.0変換チップもUSB-IFで調べてみたところ、

こちらはホストコントローラーと違ってたくさん種類があるようで、

ホストコントローラーに比べたら開発は楽みたいです。

軽く手持ちの機器を確認したところ、JMS539、ASM1051、MB86C30なんかが確認できました。

このへんの話はまた次回にでも。

SATA-USB変換チップのSATA側はSATA2までの対応が一般的かと思いますが、

ちょっと調べていたら、こんなのが出てるのを見つけました。

InfoZone SuperSpeed USB 3.0 to SATA III Device Adapter Cable with AC Adapter

SY-ADA20079

http://www.sybausa.com/productInfo.php?iid=1101

SATA3対応を大々的にうたっております。

SATA3-USB3.0変換チップといえばルネサスのμPD720230が業界初とか言ってました。

http://japan.renesas.com/press/news/2011/news20110830.jsp

もしかしてこのルネサスのやつなのかなと思い、調べてみたところ

どうやら、ASMediaのASM1051EもSATA3対応しているようです。

ASM1051E

http://www.asmedia.com.tw/eng/e_show_products.php?item=96&cate_index=97

ということで、なんとなくASM1051Eのにおいがしてきましたが、

とりあえずこれは入手するしかないということで気がついたら海外サイトでポチってました。

早速、SSDを繋いで、接続してみました。

2.5インチデバイスの場合はバスパワーで動作するのでACアダプタの接続も不要です。

チップは分解すればすぐわかりますが、とりあえず、デバイスIDから調べてみることにしました。

Google先生によれば、このIDはASM1051Eのようです。

ルネサスのが出てくるのはもう少し先でしょうか。

とりあえず、SATA3対応ということで性能アップが期待できそうなので、各種検証してみたいと思います。

ちなみに

Silver Stone SST-RVS02 RVS02

http://www.silverstonetek.com/raven/products/index.php?model=RVS02&area=jp

こちらもSATA3対応となっていますね。これもASM1051Eでしょうか。

今回はチップの話だけになってしまいましたが、今回はこのへんまでで。

気が向いたら次回に続く。